空模様(そらもよう)は、日本語の名詞である。漢字「空」(そら)と「模様」(もよう)から構成される複合語で、文字通りには「空の模様」を意味する。
意味と用法
主に気象の分野で用いられ、空の状態や天候の様子を視覚的に観察して判断する際に使われる語である。具体的には、雲の形状や色、空の明るさなど、目に見える空の外観を指し、特に雨や雪が降りそうな気配を表す文脈で頻繁に使用される。単に天気の事実を述べる「天気」(てんき)とは異なり、視覚的な観察に基づく判断や予測のニュアンスを含む点に特徴がある。
代表的な慣用表現として「空模様が怪しい」(そらもようがあやしい)があり、これは「空の様子が雨を予感させる」「天候が崩れそうだ」という意味で日常会話でも広く用いられる。
また、比喩的用法として、物事の成り行きや情勢、特に不穏な雰囲気を指す場合にも使用される。例えば「景気の空模様」「政界の空模様」のように、社会情勢や市場の先行きを表現する際に用いられることがある。
発音
東京式アクセントでは「そらもよー」[sòrámóꜜyòò](中高型)と発音される。
語源
「空」(そら)は古語に由来し、頭上に広がる広大な空間を指す。「模様」(もよう)は元来、布地の模様や自然の質感を指す語であり、両者が結合して「空の見た目の様子」という意味を形成した。江戸時代には一般庶民の間で、科学的な気象予報が存在しなかった時代に空の視覚的兆候を読み取るための語として定着したとされる。
類義語
- 雲行き(くもゆき):雲の動きに焦点を当てた語。比喩的用法も多い。
- 空合い(そらあい):やや古風または地域的な表現。
- 天気(てんき):最も一般的な天候を表す語。
- 天候(てんこう):より形式的・技術的な気象用語。
用例
- 「怪しい空模様になってきたから、早く帰りましょう。」(空の様子が雨を予感させるため、早く帰ろう)
- 「空模様次第で、明日の運動会は中止になるかもしれません。」(天候の状態によって中止の可能性がある)
- 「刻々と変化する空模様を、カメラに収めた。」(変化する空の様子を撮影した)
初出
文献上の初出例として、1886年(明治19年)の坪内逍遙『内地雑居未来之夢』に「遙に空模様をうちあほぎ見て」という用例が確認されている。