とっておき(取って置き)は、日本語の名詞であり、いざという時のために大切にしまっておくこと、またはそのようにして保管されたものや事柄を指す。動詞「取って置く」(とっておく)の連用形が名詞化したもので、後日必要になったときのために物品や情報などを温存・保存する行為、およびその対象を意味する。
語源・成り立ち
「取って置く」は、「取る」と「置く」の複合動詞に「~ておく」(準備・保存の意を表す補助動詞)が結合した形である。これが名詞化されて「取って置き」となり、さらに口語では「とっとき」と音変化することもある。江戸時代の浄瑠璃など文献資料にも用例が見られ、歴史のある語である。
意味と用法
現代日本語では主に以下のような意味で用いられる。
- 大切にしまっておくこと、そのもの:「とっておきのウイスキー」「とっておきの話」のように、特別な機会や必要に備えて保管してある物品や情報を指す。
- 秘蔵のもの、切り札:比喩的に、最後の手段や最も価値のあるものという意味でも使われる。
歴史的には、精選版日本国語大辞典によれば、以下のような用法も確認されている。
- 秘蔵の人、愛人、愛妾を指す用法
- 大事にしまっておいてまれに着る着物(晴れ着、一張羅)を指す用法
類義語・関連表現
類義語としては「奥の手」(おくのて:最後の秘策、切り札)や「温存」(おんぞん:とっておくこと)などが挙げられる。また、動詞形「取っておく」は日常会話で広く使われる基本的な表現である。